[特許]願書作成~オンライン出願まで/自分で出願する方法・備忘録

知財(特許など)の出願は、自分ですることが出来ます。

あなたも、「こういうのがあったら便利なんじゃないかなー」と思うことがあったり、 お店で見つけた新商品を見て「そう、こんなのが欲しかったんだー」なんて感じたりすることがありませんか?

知財は、難しいようで、あんがい身近なもの。
こちらの図は、特許出願までの流れです。
自分で出願するにあたって必要なことが示してあります。

これらは、出願を弁理士さんに一任する場合には全く必要のない知識なのですが、「自分でやる!」となれば、必要となってきます。
そうした、必要となる知識の部分を、自分の経験をもとに記事にしてみました(^-^) 参考になれば。


かんたん願書作成ソフト
【図】出願までの流れ


ピンクの点線枠内は、「かんたん願書作成ソフト」を使って行うことができます。
 オレンジの点線枠内の事前準備が、オンライン出願をするために必要です。
 青の点線枠内は、「インターネット出願ソフト」を使って行うことができます。

知財の出願は、「かんたん願書作成ソフト」「インターネット出願ソフト」を組み合わせて使うことで、比較的、簡単に行うことができます。 

「かんたん願書作成ソフト」について


いざ知財の権利を取ろう!と思ったら、まずは、「かんたん願書作成ソフト」をダウンロードしましょう☆
これは、電子出願用書類の作成支援のためのソフトで、無料で使うことができます。 
さくさく書ける、使いやすいソフトです。



かんたん願書作成ソフト



ソフトをパソコンにインストールしたら、開いてみましょう。




かんたん願書作成ソフト
アイコン




メニュー画面から、[特許・意匠・実用新案・商標]毎に、それぞれ管理画面が分岐しています。



かんたん願書作成ソフト



「特許」のボタンを押すと、次の画面は、こんな感じ。
「特許願、出願審査請求書、早期審査に関する事情説明書」などを種類別に複数件、ここで管理することができるようになっています。
ダブルクリックで、その書類が編集できるようになっています。



かんたん願書作成ソフト




「新規作成」ボタンを押して「特許願」の作成画面へ進むと、こんな感じ。




かんたん願書作成




自分で内容を打ち込んでいきます。(下の画像では、既に内容が色々打ち込んであります。)




かんたん願書作成ソフト



フォーマットに則っていない箇所があると、即、赤マーク(エラー)を出して教えてくれて親切。
下の画面では全て緑マーク(正常)になっているので、これは、「全部、フォーマットはあってるよー」という意味。




かんたん願書作成ソフト



書類を書き終えたら、必ず「保存」してから終了しましょう。
「メニュー画面」に戻って「HTML出力」ボタンを押すと、ソフトが自動で「かんたん願書作成」というフォルダ内にHTMLファイル形式で書類を書き出してくれます。
HTMLファイルをブラウザで開き、誤りがないかなど、出願前によくチェックしましょう!



事前準備


〇 申請人利用登録 

特許庁では手続者に対し、識別番号(アラビア数字からなる9桁のコード)を付与しています。
出願するにあたって手続者の識別番号の入力が必須となりますので、初めて特許庁へ手続される方は、事前準備の「申請人利用登録」をして識別番号の付与を受けましょう。
一度付与してもらえば、同番号を、他の出願や手続きの際でもずっと使うことができます。

〇 電子証明書

「電子証明書」は、住基カードかマイナンバーカード(個人番号カード)でOK。
確定申告e-Taxを利用したことのある方なら既にお持ちかと思いますが、住基カードやマイナンバーカードをPCで読むのに「ICカードリーダー」が必要です。 用意しておきましょう。



【 例:わたしが使っているもの 】

(あとで追加)

〇 ダウンロード・インストール 

インターネット出願ソフトをインストールしましょう。
出願は、インターネットによるオンライン出願がお勧めです。特許庁では、手続の効率的な処理を促進するため、すべての手続を電子化することを進めています。
そのため、各種手続を書面(紙)で提出した場合は、電子化するための手数料(電子化手数料)の納付が義務づけられています。
私は一度だけ、事情があって書面で出願したことがあるのですが、この「電子化手数料」って、結構高いです…
(事情: 住基カードが引っ越しにより無効になっていたー(゚Д゚) 因みに住基カードの再発行は、その時点でもう非対応になっており、マイナンバーカードを作るしかなかったと… ←2カ月くらい掛かるので注意!)
「1件につき1,200円に書面1枚につき700円を加えた額」ですから、例えば、

特許願 10 枚を書面で提出したときの電子化手数料は、1,200円+(700円×10 枚)=8,200円

となります。バカにならない額なので、なるべく、オンライン出願をしたいですネ。
「かんたん願書作成ソフト」で書類を作れば、インターネット出願ソフトと連携しているので、オンライン出願することは比較的かんたんです♪

〇 口座振替の申出書の提出 (必要な場合)

「出願までの流れ」の図にはありませんが、口座振替の申出書を特許庁に提出しておくと、出願料など掛かる費用を、指定口座から自動で引き落としてもらえるので便利です。
申出書を提出してから3~4週間後に「振替番号通知」が送付されます。すぐには送付されてこないので、ご注意ください。早めに準備しておくとよいかと思います。
振替番号は、出願書類の願書に、以下のように記入します。  

(例) 【手数料の表示】   【振替番号】   00040●●●

なお、口座振替は、オンライン出願をすると、出願した瞬間に口座に引き落としにいくそうです。
なので、口座振替にする場合は、出願の前に必ず、出願料を口座に入れておきましょう。



「インターネット出願ソフト」について


さあ、ここからはインターネット出願ソフトに関してです。
ソフトをパソコンにインストールしたら、開いてみましょう。



インターネット出願ソフト
アイコン



特許_インターネット出願画面




「ICカード」の方を選択すると、下の画面に遷移します。




出願ソフト証明


ここでPinについて、「利用者証明用」は、役所で登録した4ケタの数字、「署名用」は、同じく役所で登録した英数混じりのパスワードです。(マイナンバー(個人番号)カードの場合)
パスワードは、一定回数以上間違えると、ロックされてしまい、役所に出向かないとロック解除してもらえないので、注意しましょう(-_-)
なお、Guestで起動すると、出願できないようです。
オンライン出願の仕方については、「インターネット出願ソフト操作マニュアル」の「操作編」が大変参考になります。特に、「オンライン出願の基本操作」のページあたりを開きながら進めていくとよいかと思います。
 


 オンライン出願の基本操作

注意点

  • インターネット出願ソフトでHTMLファイルを送信ファイルに変換する処理をしたときに、イメージも変換される場合があります。
  • 必ず、特許庁に送信する前に、「送信ファイル」フォルダ内の書類を印刷して、内容が意図どおりか確認してください。
  • 表示ではイメージを縮小しているため、粗く見えますので、正確なイメージは、送信ファイルを印刷して確認しましょう。
  • イメージは、モノクロ 2値イメージ(PNG、GIF、BMP 形式)とグレースケールイメージ(JPEG 形式、8bit:256 階調のみ)が使用できます。
  • なるべくイメージの作成段階で、モノクロ 2 値にした方が良いと思います。
  • BMP の場合、必ずモノクロ 2 値で保存してください。モノクロ 2 値でない場合は、インターネット出願ソフトでエラーになります。
  • JPEGの場合、グレースケールのみ。プログレッシブは不可です。
  • PNG、GIF がモノクロ 2値でない場合は、インターネット出願ソフトで警告され、モノクロ2値に変換されます。

イメージサイズ(横×縦):

200Dpi  1338 × 2007 以内
300Dpi  2007 × 3011 以内
400Dpi  2677 × 4015 以内

※ 単位はドット



イメージファイルの規定 ]についてのページを見る!

クリック



モノクロ 2 値だと線がジャギジャギになってしまい、点線や細線をうまく表現できない場合があるので、私は、JPEGで作成するようにしています。


送信ファイルをオンライン出願する時に、「オンライン出願」ボタンが押せない状態(無効)になっている場合は、「入力チェック結果表示」画面などが別ウィンドウで開いたままの状態になっているかと思いますので、別ウィンドウを閉じてください。
その後、「オンライン出願」ボタンが押せるようになります。 (私も何度かこれをやってしまい、その度にあれ、なんで?と思ったので記しておきます。)


オンライン出願をした後、受領書フォルダを確認して、受領書があるのを確認してください。
また、口座振替の場合は、口座から所定の費用が引き落とされているかどうかを確認してください。
これで出願は完了です!
なお、口座振替は、オンライン出願をすると、出願した瞬間に口座に引き落としにいくそうです。
なので、口座振替にする場合は、出願の前に必ず、出願料を口座に入れておきましょう。
出願後にダッシュして入金しに行っても遅いです。(まれに、引き落としまでに時間が掛かる場合もあるようですが。曜日や時間帯によって?)
引き落としがうまく行かなかった場合は、手続補正書の提出をすることによって、再び口座振替してもらうことはできます。
けれど、これは少し面倒な手続きになってしまうので、なるべく、出願と同時に口座から引き落としてもらえるように気をつけましょう。
もし、(私みたいに)振替に失敗!ということになってしまったら(><)、落ちついて特許庁にメールなり電話なりして問い合わせれば、手続補正の仕方など教えてもらえます(^-^)


手続補正書(再度引き落としの依頼)/コピーペースト用

【書類名】 手続補正書<br>
【提出日】 平成29年 11月 28日<br>
【あて先】 特許庁長官殿<br>
【事件の表示】<br>
【出願番号】 特願2017-2●●●92<br>
【補正をする者】<br>
【識別番号】 ●●●●●●●●●<br>
【住所又は居所】 ●●県●●市2873<br>
【氏名又は名称】 山田 花子<br>
【手数料補正】<br>
【補正対象書類名】 特許願<br>
【振替番号】 020●●39●<br>
【納付金額】 14000<br>


その他

私もいくつか特許出願をしていますが、特許は早い者勝ちなので、いいアイディアが浮かんだら、出願だけは早めにしておいたほうが良いかと思います。
出願だけしておいて、審査請求をするかどうかは、3年ほどの猶予の間によく考えればよいのです。
出願しておけば、少なくとも、そのアイディアの実施を自分自身がすることができます。(審査請求をしなかったとしても。)
出願せずにいて他者に先に出願されてしまうと、自身が思いついたアイディアなのに、その後、一切実施できなくなってしまうこともあるのです。
これについては、「先使用権制度」を使う手もあるようですが、適用には色々と条件があります。
出願は、全て自分でやるのであれば、特許庁に支払う14,000円だけでできます。

知財の世界は、面白いものです。 今は差別化の時代です。
他と差別化できるアイディアをドンドン世の中に出していきましょう☆
願書のオンライン出願は、上記のソフトを使うなどすれば、誰でも、比較的に簡単にできます。
でも、本当に難しいのは「そのもっと手前」ですよね??
まず難しいのは、書類の文章そのもの書き方。
最初の一文字目から、どう書き出してよいか、全くわからないのが普通です。
そして、掛かってくる多額の費用ですね… どう工面すればよいか、これもわかりません…
私もそうでした。
書類の文章を書くには、私は、弁理士さんにお願いするのが、やはり一番よいと思っています。
権利というのは、取れればよいというのではなく取ったその先が大事で、狭い権利が取れたところで、すぐに類似品が出てきてしまい、ビジネスにならなくなってしまうかもしれません。
大企業は、審査請求では拒絶理由通知書がきてナンボと思っているところがあるらしく、広い範囲で出願しておいて、拒絶理由通知の後から、さぐりつつ権利範囲を狭めていくそう。
ギリギリまで自分の権利範囲を広く取ろうと、戦略的にやってくるわけですね。

個人発明家も、それくらいの気持ちで狙っていかないと、競争に勝てないのかもしれません…
でも、どうやったら広い範囲で権利化することができるのか、全くわからないですよね?
私は、弁理士さんに出願を丸投げしたことも、無料の知財相談センターに通って相談をしながら自力で出願しようとしたこともありますが、やはり一番良いやり方だと現段階で思っているのは、信頼できる弁理士さんに、自分で書いた出願書類を赤ペンでがっつり添削してもらうことです。
これは非常に勉強になり、次回の出願につながる力(次回の出願書類も自分で書く力)がつきます。
でも、これは特許の話。 意匠・商標については、無料の知財相談センターに通って相談をしつつ添削などを依頼せずに自力で出願することは、けっして難しくありません。特許よりもだいぶ、敷居が低いと思います。

そして、必要となるお金は、創業補助金や小規模事業者持続化補助金などといった補助金制度を利用すれば、弁理士さんに支払う費用のうち2/3が補助されます。
(特許庁に支払う費用は対象外。特許庁に支払う費用は、出願のみであれば14,000円。)
弁理士さんに支払う費用が1/3になるということです。 私も出願時に、これらの補助金制度を利用させていただきました。
事業計画書を補助金事務局に提出し、審査をクリアすれば使うことができる補助金です。
年々、認知度が上がってきて倍率が高くなってきている補助金制度ですが、是非、チャレンジしてみましょう(^-^)

特許料・審査請求料の減免制度 というのもあります。
こちらは、特許庁に支払う費用の話で、出願のみであれば掛からない費用です。
私は、審査請求以降で減免制度を利用したので、特許庁に支払う特許料・審査請求料も1/3になりました。
こちらは、条件さえ合えば申請することで安くなりますので、ご自身が適用されるかどうか、特許庁のサイトで確認してみましょう(^0^)

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