中国広州の生地市場について [カルチャーショック!]

実はいま、中国縫製工場に製品の製作をお願いしようとしているんですが、聞いてください、 ちょっと小話。

スワッチとは

記事内にある「スワッチ」とは、生地サンプル帳で、色合い・素材感などを、手に取って確認できるものをいいます。
多くの場合は、1シートに10あるいは20色ほど、小さくカットされた生地が貼り付けてあり、各生地が識別できるように番号などが振られており、見易いように作られています。


生地サンプル

先日、私が依頼をして「生地の調達~縫製~検品」まで現地で全部やってくださっている業者(日本にあって仲介をしてくれる業者)からメールで連絡がきました。

業: 「スワッチにて選んでいただいた生地を購入しようとしたところ、もう既に生産されていない
    ということがわかりました。」

私: 「え。。。 なぜに??」(心の声)

その時点で完全にアタマの中は「?」で埋め尽くされましたが、さらには、

業: 「スワッチ再収集ご希望の場合、人件費・交通費・送料などの経費がかかってきます。 ご了承ください。」

私: 「えぇ~! なぜに?」(ちょっとパニック)

スワッチを私が受け取ってから1ヶ月ちょっと (スワッチ配布からは2ヶ月だそう)で、自ら配布したスワッチの生産を打ち切る。しかもそれを取引先に伝えない。
それでいて何の保障もないのか??
発生するスワッチ再収集にかかる費用もコッチ持ち、って!? ありえないだろ、その生地メーカー!
私の不満は、仲介業者を飛び越えて生地メーカーへ一直線!
おかしいだろ! プンプン!!

すぐにその「生地メーカーへの不満」 を仲介会社へ伝えると、下のような返信が返ってきました。
そのメールを見てビックリ。そのメール



生地収集につきまして、説明が不足しておりました事、誠に申し訳ございません。

中国での生地市場に関しましてご説明させて頂きます。 全てに起きまして日本で想像されます取引イメージとは異なっております。

添付写真のような広大な生地市場が広州市内に幾つもございます 店頭にはスワッチだけが並び、誰でもが簡単に収集出来る状況です。
たくさんございます生地市場から、この場所を選び、その場所にたくさんございます建物の中より、このビルを選び、そのビルの中より、ご依頼の素材を探しながら収集しております。

弊社と特別の取り引きがある生地会社は特にございません。
写真のように、スワッチのみの生地会社の集まりです。
生地会社が無くなったり、扱う商品が変わったり場所が変わったりする事は、中国では日常茶飯事です。
特に生地会社がという訳ではなく、成長著しい中国ではどの分野も同様で、より儲けのある商売へと人も会社も変化しております。このような現状が中国です。


上記の内容にて、ご理解いただきたいと思います。




中国市場ビル

中国市場のビル

中国市場のビル

中国市場のビル


    。。。。。。(゜。゜)
「ご理解いただきたい」とくるとは、想像だにしていなかったので、ビックリしました(笑)
この歳まで知らなかった中国市場の実状… カルチャーショックだ~!!┏(_□_:)┓

ということで…
中国で、今回のようなことは仕方のないことだったようです、 ハイ。
中国生産におけるリスクとして受け止めるほかないようです、 ハイ。
成長著しい中国の市場では、このような仕組みが効率的で、適しているんですね。

しかし、リスクがあることを知っても、やはり、日本の縫製工場には頼めない。(高いから~(T_T))
生地スワッチ再収集にかかる、人件費・交通費・送料などの経費も、中国でなら安いものです。
さっきまでの生地メーカーへの 「うぉりゃー!」 的な不満も、この市場の実情を知った後では、
「あ、すみませんでした。 これからもよろしくお願いしまーす。」 的に、ちーさくすぼんでしまいました。

中国のこういう大きな市場での取り引きの中では、個人の小さな 「この生地がいいです」なんていう要望など、呆気なくかき消されるようです。
大きな音の中で小さな音なんて全く聞こえないのと同じように。
それが欲しいのなら、手に出来るまで自分で探しまわるしかない。それが中国のようです。

日本国内での取引きでは、何かとすぐに、クレームだの保障だの返金だの、そういう話になりますよね。
日本は、個人の要望が最大限尊重される環境が整っているのだと思います。
消費者側も、尊重されて当たり前だと思っています。
土地が大きく人口も多い中国の方たちは、個人の要望を汲み取ってもらいにくい環境で生きているからこそ、大きな声でハッキリとものを言うのかもしれません。

日本人は、そうじゃないですよね。 どちらかというと、察してもらえるのを待っているような…
まぁ、日本だと大抵のことは察してもらえますからね。
察することができない方がおかしい、「あのひとKYだなぁ」みたいな…
日本には、そういう空気感があると思います。国民性というか。

20代の頃に、一年程度働いていた会社は、小さな会社でしたが、8割がたの労働者が中国の方でした。
そこで働いていたときに、中国の方たちの自己主張の強さに、自分が圧倒されていたことを思い出しました。
大人しそうに見えた人でさえ、あるときしっかりと自己主張をしてきたので、驚いたこともあります。

中国での縫製の生産は、日本よりも安く済みます。
リスクもありますが、小さな事業者は、国外からスタートするのもよいのではないでしょうか?
私は、日本の縫製工場で見積もりをとって、工場への生産依頼を諦めかけたことがあります。(あまりに高かったので)
でも、中国の縫製工場を知って、「できるんじゃないか?」と可能性を感じることができました。
私は、ここからスタートしよう!と思いました。 引き続き、がんばろうと思います (^^)/ 

今回は、勉強になりました。

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