特許出願を終えてフーッっと一息つき、「さて今度は生産体制を整えるべく頑張るぞ!」となった段階で、
「改良のアイディアが浮かんだ!」または「構造や効果の書き落としがあった…」などと気づくことは、よくあること。
私は、自分で特許の出願を5件したことがありますが、
こういったこと(出願後に改良のアイディアが浮かぶ)は、2度ありました。
なんでしょうね…(_ _)
出願が終わって、「さあ、これから新商品を作ろう☆」というタイミングになってから、出願に舞い戻ってアレコレ難しいことをしなければいけないというのは、
「どうしてこんなこと出願前に気付かなかったんだろう… もっと熟考してから出願するべきだったかな… 」
と自分を責めるような気持ちになってしまったり、手続きの面倒さを思うと、気がズンと重くなってしまうものです。
気分的には、特許出願の明細書や図面あるいは特許請求の範囲を手続補正したいところですが、
「新規事項を追加する補正は認められない」という補正の制限に引っ掛かってしまうため、これは許されません。
それでもやっぱり諦めたくない。追加のアイディアも、ちゃんと押さえておきたい(><) ですよね?
「気が重い」などと、いつまでも言っていたら前に進めません! 手を打たないと。
さて、私自身が1度目のときに浮かんだ改良のアイディア。
これは、先願とは異なる構造のものであったため(課題・効果は近いが)、新たに、独立した特許出願を1件しました。
そして2度目のときに浮かんだ改良のアイディア。
これは、先願のアイディアに一手間を加えて作る、先願のアイディアを利用した構造のものであったため、そこで初めて、「国内優先権主張出願」というものにチャレンジしてみました。
先にした出願というのは、出願と同時に他人の先願文献と同等のものとなるため、たとえ、それが自分自身の先願文献であったとしても関係なく、後に出願した改良発明が、自身の先願文献に邪魔されて特許にならなくなる可能性があります。まるで、自分の首を自分で絞めるようですね…(T_T)
ですから、自分の先の出願と比較して後の出願が新規性・進歩性のないものであったら、もう、新たに、独立した特許出願をしてもダメで、すべきなのは「国内優先権主張出願」です。
「国内優先権主張出願」によって、先の出願の特許になる可能性を高められる場合もあります。
先の出願から1年以内であれば改良発明や技術などを補充する新たな特許出願をして、先の特許出願は取り下げたものとみなす。
特許庁における審査においては、国内優先権主張出願における発明のうち、先の出願時の明細書等に記載されていた部分の発明については、先の出願の日を基準に審査し、それ以外の部分については、国内優先権主張出願を行った日を基準に審査する。
という、これが「国内優先権主張出願」です。
発明家にとって、有り難い制度ですね♪
出願を一本化できれば、10万円以上かかる審査請求料が一回で済みますし、毎年掛かる特許料の削減にもなります。
先の出願に、必要な修正・追加を施し、明らかに不要な記載以外は削除しない、というのが基本的な国内優先権主張出願のやり方だそうです。
国内優先権主張の特許出願をするときは、改めて新しい特許出願をするつもりで、明細書、特許請求の範囲、図面、要約書を作成しなければなりません。先の出願書類の援用はできません。
特許出願書類の作成要領は、通常の特許出願の場合とほぼ同じで、願書の形式が少し変わるだけです。
具体的には、【特許出願人】の欄の次に【先の特許出願に基づく優先権主張】の欄を設けて、【出願番号】と【出願日】を記載します。
↑ コレ、欄の追加を忘れたら普通の出願になってしまうので、忘れないようにくれぐれも注意です。
なお、【先の特許出願に基づく優先権主張】欄を補正できる期間は、優先日から1年4カ月です。
補正できる期間が短いので、もし誤っている箇所があることに気付いた場合は、早めに手続補正しましょう。
電子出願サポートサイト 「申請書類の作成」 「書き方ガイド」「申請書類の書き方ガイド」のボタン 「特許出願:特許出願等に基づく優先権の主張出願(国内優先権)」のページが、書き方の参考になります。
階層の深いところにあるので、下にリンクをはっておきますね。
[ 優先権の主張出願 ]についてのページを見る!
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HTMLファイルには<br>(HTMLタグ)が含まれているので、<br>も一緒に追加して下記の【例】のような状態にしてから、上書き保存をします。
これが出願時に使うファイルになります。
HTMLファイルに追加が必要なのは、下の画像でいうところの黄色い部分です。
※ 複数回、優先権主張出願をする場合は、この黄色い部分を複数段にして書くのだそうです。
「一つ前の」とか「一番最初の」でなく、「全ての」先の出願について出願番号等をズラッと書きます。
書き漏れている出願があると、その出願は優先権主張から外れてしまいます。
追加テキスト/コピーペースト用
【先の出願に基づく優先権主張】<br>
【出願番号】<br>
【出願日】<br>
「国内優先権主張出願」については、本で調べても、あまり長くページを割いて紹介されていない印象です。
確かに、ややこしい説明が必要なものではないので、本で紹介するにしてもサラッと3ページ程に収まるのだと思います。
ただ、実際には、自身の改良発明が本当に「国内優先権主張出願」をすべきものなのか? 独立した特許出願にすべきなのか?といったところが大事な点かと思いますので、お近くの知財支援センターの無料相談を利用するなどして、見解を聞くと良いのではないかと思います(^-^)
判断を誤ると後から取り返しがつかないのが特許ですから。
なお、国内優先権を伴う特許出願の場合、国内優先権を伴う出願(後願)の出願日から3年以内が審査請求することができる期間となります。先願ではなく後願の出願日から3年なので、注意してください。
さいごに、「かんたん願書作成ソフト」について私がまとめたページがあるので、はっておきます。
なにか参考になれば☆
[ かんたん願書作成ソフト ]についてのページを見る!
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